二次流通ってどういうこと?販売後にクリエイターが稼ぐ仕組み

「作品を一度販売したら、クリエイターとしての収益は終わり…」

そんなふうに考えていませんか?もしそうなら、その考えはもう古いかもしれません。

近年、NFTやブロックチェーン技術の登場により、**「二次流通」**という仕組みが大きな注目を集めています。これは、一度世に出たあなたの作品が、転売されるたびに継続的な収益を生み出してくれる、まさにクリエイターにとって夢のような仕組みです。

この記事では、二次流通の基本的な概念から、クリエイターが実際に収益を得るための具体的な方法、そして未来の可能性まで、誰にでも分かりやすく徹底解説します。

目次

1. 「二次流通」って何?今さら聞けない基本のキ

まず、二次流通の基本からおさえましょう。

一次流通と二次流通の違い

市場には、大きく分けて「一次流通」と「二次流通」の2つがあります。

  • 一次流通: クリエイターやメーカーが作った新品を、初めて世の中に販売すること。
    • 例:アーティストがギャラリーで絵画を売る、ブランドが直営店で新作バッグを売る。
  • 二次流通: 一次流通で販売された商品が、消費者から別の消費者へと**再販売(転売)**されること。いわゆる「中古市場」です。
    • 例:ギャラリーで買った絵画が、後にオークションで転売される、限定スニーカーがフリマアプリで売買される。

[画像: 一次流通と二次流通の流れを示すシンプルな図]

なぜ今、二次流通が重要なのか?

従来の二次流通では、商品がいくら高値で転売されても、その利益は販売者(コレクターなど)のものとなり、元のクリエイターには1円も入りませんでした。

しかし、テクノロジーの進化、特にNFTの登場によってこの常識が覆されました。作品が再販されるたびに、売上の一部がクリエイターに自動的に還元される仕組みが現実のものとなったのです。これにより、クリエイターは創作活動を続けるための継続的な収益源を確保できるようになりました。

2. 二次流通がアツい!4つの注目市場

二次流通は、特に以下の市場で活発に活用されています。

① アート業界

伝統的にオークションが盛んなアート業界ですが、NFTアートの登場はまさに革命でした。スマートコントラクト(後述)という技術により、作品が転売されるたびに、設定されたロイヤリティ(手数料)が自動でクリエイターの元へ送金される仕組みが標準となったのです。

② ファッション・ブランド品

限定スニーカーや高級時計、バッグなどは、二次流通市場で定価を大きく上回る「プレミアム価格」で取引されることが珍しくありません。近年では、ブランド自身が公式のリセールプラットフォームを立ち上げ、二次流通市場をコントロールし、そこから収益を得る動きも出てきています。

③ 音楽・映画・ゲーム

中古のCDやDVDだけでなく、近年ではデジタルコンテンツの二次流通も始まっています。例えば、NFT化された楽曲の所有権が売買され、その楽曲がストリーミングで再生されるたびに、所有者と元のアーティストに収益が分配されるといった、新しいモデルが登場しています。

④ NFT(デジタルアート・トークン)

NFTは「二次流通の申し子」とも言える存在です。データ自体に「転売時には作者に〇%支払う」という契約(スマートコントラクト)を埋め込めるため、二次流通との相性が抜群に良いのです。これにより、デジタルデータでありながら、クリエイターは作品が世の中に存在する限り、半永久的に収益を得るチャンスを手にしました。

3. クリエイターが二次流通で稼ぐ!具体的な3つの仕組み

では、クリエイターはどうやって二次流通から収益を得るのでしょうか?

① ロイヤリティ(再販時の手数料)

最も代表的な方法です。例えば、あなたが作ったNFTアートに10%のロイヤリティを設定したとします。

  1. あなたがAさんに1万円で作品を販売(一次流通)
  2. AさんがBさんに10万円でその作品を転売(二次流通)
  3. この時、売上の10%である1万円が、あなたの元に自動で支払われます。

まるであなたの作品が「営業マン」として、稼ぎ続けてくれるようなイメージです。

② スマートコントラクトによる自動化

このロイヤリティの支払いを自動で確実に行ってくれるのが**「スマートコントラクト」**です。

難しく聞こえるかもしれませんが、要は**「あらかじめ決められたルールを、人の手を介さずに自動で実行してくれるプログラム」**のこと。ブロックチェーンという改ざん不可能な台帳の上で動くため、「支払いがされない」といったトラブルを防ぎ、クリエイターは請求の手間なく、確実かつ透明性の高い形で収益を受け取れます。

③ サブスクリプション型の展開

二次流通の仕組みを応用し、ファンがクリエイターを継続的に支援するサブスクリプション型のモデルも登場しています。例えば、特定のNFTを保有しているファンだけがアクセスできる限定コミュニティや、新作の先行購入権などを提供することで、クリエイターとファンの新しい関係を築くことができます。

4. メリットだけじゃない?二次流通の光と影

大きな可能性を秘めた二次流通ですが、良い面ばかりではありません。メリットとデメリットを正しく理解しておきましょう。

【光】クリエイターや購入者のメリット

対象者メリット
クリエイター・一度販売した作品から継続的に収益を得られる
・作品の評価が高まるほど、将来の収益も増加する
・スマートコントラクトにより、収益化が自動化できる
購入者・コレクター・価値が上がれば、転売して利益を得られる
・公式のリセール市場が育てば、偽物を買うリスクが減る

【影】二次流通の課題と問題点

  • ロイヤリティの非適用: 一部のNFTマーケットプレイスでは、クリエイターが設定したロイヤリティ設定を無視する動きもあり、問題となっています。
  • 法整備の遅れ: 新しい市場であるため、国によっては税制や法的なルールがまだ追いついていません。
  • 価格の高騰: 投機的な目的で価格が高騰しすぎると、本当に作品を愛するファンが手に入れにくくなる可能性があります。

5. 二次流通の未来はどうなる?今後の展望

二次流通市場は、今後さらに拡大していくと予想されています。

  • ブロックチェーン技術の活用: NFTを中心に、より透明性が高く、クリエイターが公平に報われる市場が拡大していくでしょう。
  • AI・データ分析による最適化: AIが市場データを分析し、作品の価値や最適な販売タイミングを予測するような技術も進化しています。
  • 市場のさらなる拡大: 今後はデジタルコンテンツだけでなく、不動産の権利、コンサートのチケット、スポーツ選手の記念品など、あらゆる「価値」を持つものが二次流通の対象になっていく可能性があります。

まとめ

二次流通市場は、もはや単なる中古市場ではありません。クリエイターが創作活動だけで生きていくことを可能にする、**新しい経済圏(クリエイターエコノミー)**の重要なインフラとなりつつあります。

NFTやブロックチェーンと聞くと難しく感じるかもしれませんが、その根底にあるのは「素晴らしい作品を作ったクリエイターが、正当に、そして継続的に報われるべきだ」というシンプルな思想です。

この記事を読んで少しでも興味が湧いたら、まずは有名なNFTマーケットプレイスを覗いてみたり、好きなクリエイターがどのような取り組みをしているか調べてみることから始めてはいかがでしょうか。新しい時代の波に乗り遅れないよう、ぜひ一歩を踏み出してみてください。

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